日本人には少ない睡眠時間でも十分という人も多いかもしれませんが、不眠症は非常に深刻な問題です。不眠症になると身体を十分に休ませることができなくなり、集中力に欠けたり、だるさや、倦怠感、生活リズムの乱れからさまざまな症状が出てきます。

糖尿病と不眠の関係

糖尿病を患う患者さんには、不眠の悩みを抱えている方が少なくありません。
糖尿病と不眠の関係は、のどの乾きや多飲による頻尿で、夜中に何度もトイレに起きることが挙げられます。
また神経障害による身体のしびれや、こむら返りが起こることで強い痛みによって目が覚めてしまうなども原因となります。

これらが要因となって、熟睡できなくなったり眠れなくなってしまうと悩まれるようです。
眠っている間に低血糖を起こすのではないかという、心理的不安でも不眠となって良い眠りを得ることが出来なくなります。
この場合は睡眠薬を使った治療をすることで、血糖コントロールも改善するという研究報告があります。
不眠や眠りが浅いなど睡眠に関係する不安があるならば、医師に相談することが解決する早道となります。

糖尿病による神経障害でしびれのほか、痛みを伴うこむら返りは筋肉が無意識に収縮することで起こる、痙攣状態をいいます。
強い痛みが生じ、筋肉疲労やミネラル不足によって起こる神経障害といわれます。
糖尿病を患う方の35%に、こむら返りの症状があるとされています。

さらに、不眠と糖尿病の関係には睡眠時間が短いことや、深い眠りがとれていないことで血糖値が上がることも知られています。
この原因というのが、不眠によってインスリンの働きが悪くなるインスリン抵抗性が推測されています。
また、現在は糖尿病を発症していない状態でも、不眠または睡眠の質の低下があることで、食欲を増進させるホルモンの分泌が増え、食欲を抑制するホルモンの分泌が減ってしまいます。
このために、肥満のリスクが高まり、その結果として糖尿病を発症してしまうこともあるのです。

血糖値を下げる薬を飲んだり、食事制限や運動をして血糖コントロールをしても成果が出ない場合、不眠が糖尿病の治療を妨げているかもしれません。
のどの乾きで目が覚めて仕舞う以外にも、治療が上手くいかないことで、心理的不安から不眠になってしまうこともあります。
不眠の原因が糖尿病であるならば、その基本的な治療である食事療法や運動療法をして、血糖値を正常に近づけることが一番大切となります。

血糖コントロールで糖尿病へ対応していく

血糖コントロールをすることが、糖尿病の基本的な治療方法となります。
そして、血糖コントロールの基本となるのは、食事療法と運動療法です。
食事療法に特別な制限、というものはありません。
医師の決めたカロリーを守り、お菓子などの甘い物を摂る間食は控えるようにします。
栄養バランスの整った食事を、1日に3回、決った時間に摂ることも重要な条件といえます。

食事の時間が不規則であること、1食抜いてしまうことでまとめて食べることになると、血糖値が上がり易くなります。
これで急激に血糖値が上がると、下がる時にも急激になり空腹感から食べ過ぎてしまう危険が高まります。
食事療法でのポイントは、糖質の少ないものから食べるようにすることです。
食物繊維の多い野菜などから食べることで、胃が満腹感を早く覚えてくれます。
炭水化物は消化される過程で糖質に変換され、血糖値を上げる要素となります。
そのために糖質となる炭水化物を少なくすることで、食後の血糖の上昇を緩やかにします。

どうしても甘い物が食べたい時があります。
そういう場合は、食事の後にたべるようにしてください。
食後は血糖値もある程度上がっているので、甘い物を食べることでの急激な上昇を防げます。
空腹なときに食べるよりも影響は少なくなりますが、カロリーは高くなることも覚えておきましょう。
また食事での血糖値をコントロールできない場合には糖尿病の治療薬であるグルコバイを服用し、食後の糖分を抑えましょう。
グルコバイは低血糖を起こす心配が少ない薬となっています。

運動療法は、血液中の糖分を運動することで筋肉にエネルギーとして送り込み、血液中の糖を減らすことになります。
それに定期的な運動をすることで、血糖値を下げてくれるホルモンのインスリンを活性化させ効き目を高める役割があります。
結果として血糖コントロールがし易くなるというメリットが生まれます。
血糖値が上昇している食後30分から1時間後に運動することが効果的です。