日本人には少ない睡眠時間でも十分という人も多いかもしれませんが、不眠症は非常に深刻な問題です。不眠症になると身体を十分に休ませることができなくなり、集中力に欠けたり、だるさや、倦怠感、生活リズムの乱れからさまざまな症状が出てきます。

不眠症を改善する認知行動療法について

不眠症を改善するために有効と言われる認知行動療法には、代表的なものとして「睡眠スケジュール法」と「刺激制御法」があります。
睡眠スケジュール法は、別名「睡眠制限法」とも呼ばれ、睡眠を制限することで睡眠の質を上げていく療法です。
刺激制御療法は、睡眠以外に寝床を使わないようにするという療法です。
不眠症の人は、眠れない経験が積み重なった結果、寝床を眠れない場所と条件付け、それに縛られてしまっています。
刺激制御療法はその呪縛を断ち切って、寝床=眠れる場所という新しい条件付けを行って行きます。

睡眠スケジュール法では、睡眠の日記で1週間の睡眠時間を計算し、その計算結果である平均睡眠時間に30分足した時間を寝床の中にいても良い時間にします。
そして起きる時間を決め、自分が起きなければいけない時間、起きたいと思っている時間を設定し、寝床に入る時間も設定して、その時間を厳守することを1週間続けます。
睡眠効率が85パーセントを超えたら、寝床に入る時間を15分早め、睡眠効率が80~84パーセントであれば、同じ時間設定を継続します。
睡眠効率が80パーセント未満であれば、寝床に入る時間を15分遅らせ、健康な人の睡眠効率90パーセントを目指します。

睡眠以外に寝床を使わないようにする刺激制御療法では、積み重なってしまった眠れない経験による「寝床=眠れない場所」という、無意識のうちに刷り込まれてしまった条件付けに縛られている状態から解き放つことを目指します。
「寝床=眠れる場所」という新しい条件付けを行うために、眠たくなってから布団に入ること、寝床で本を読んだり、テレビをみたり、スマートフォンなどを操作しないこと、眠れない場合は寝床を離れて、眠たくなったら寝床に戻ることを実行します。

不眠症に悩む人は、物事に敏感で真面目な人が多いと言われ、不眠を感じた時に、その敏感で真面目な性格からさまざまなことが気になってしまい、その不安によって症状が増幅、不眠症が悪化するという悪循環に陥ります。
認知行動療法は、精神面の問題にもアプローチすることで、不眠の原因を解消へと導いて行きます。

不眠症を改善することで起きる生活へのメリット

不眠症を改善することで起きる生活へのメリットは、さまざまにありますが、心身にとって良いのは、不眠症が大きく関わると言われる、幾つかの病気のリスクを減らせるということにあります。
不眠症はアレルギー疾患による痒みなどの原因となりますが、アレルギーや免疫疾患は、自律神経のバランスが崩れることで起こりやすくなりますので、不眠症が改善することによって自律神経も整えられ、痒みなどの不快症状の解消にもつながります。

不眠症はうつとも深いかかわりがあると言われていますので、不眠症を改善することでうつに陥るリスクを減らすことができます。
ストレスをより強く感じる、物事に敏感で真面目なタイプの人は、不眠症になりやすく、物事をネガティブに捉えがちなため、必要以上にストレスを受け、不安が生じて不眠が悪化してしまいますので、早期に改善させておくことが重要です。
精神面にアプローチして不眠症を改善に導く認知行動療法は、うつ改善にもメリットがあります。

不眠症の場合、眠りの質が悪いことが問題で、眠っていたとしても繰り返す悪夢のために、朝起きた時の疲労回復感がないといった状態になります。
昼間の眠気や、うつ気分、眠ることへの恐怖などから、日常生活に支障が出ることも少なくありません。
認知行動療法によって、質の良い睡眠をとることができるようになると、悪夢が減る、疲労感が減るといったメリットが得られます。
物事に敏感で真面目なタイプの人は、眠りの質が良くなり、悪夢が減ることや疲労感が減ることで、気持ちが楽になり、うつ気分の解消にもつながります。
不眠症の改善は、生活だけでなく、精神面においても、大きなメリットをもたらしてくれます。