日本人には少ない睡眠時間でも十分という人も多いかもしれませんが、不眠症は非常に深刻な問題です。不眠症になると身体を十分に休ませることができなくなり、集中力に欠けたり、だるさや、倦怠感、生活リズムの乱れからさまざまな症状が出てきます。

不眠症に似た別の病気に注意

眠れない日が続くと不眠症と思われますが、実は睡眠障害と不眠症は同じものではありません。
不眠症とは睡眠障害の1つの分類であって、その症状は眠る為の時間は十分にあるのに、満足できる睡眠を得られない状態をいいます。

睡眠障害には種類がほかにも幾つかあり、睡眠障害国際分類(ICSD)という基準が設けられています。
睡眠障害のなかでも余り知られていないのが、概日リズム睡眠障害でしょう。
この概日リズム睡眠障害は、睡眠のタイミングや時間帯が一般の人達と大きくずれている睡眠障害です。
体内時計によって作られる生体リズムが何かが原因で乱れてしまい、概日リズム睡眠障害を発症してしまいます。

この概日リズム睡眠障害には睡眠相後退型・睡眠相前進型・不規則睡眠・覚醒型、自由継続型・時差型・交代勤務型のタイプがあり、それぞれ症状が異なります。
睡眠相後退型は現代社会の状況を色濃く反映している、概日リズム睡眠障害といえます。
夜間に強い光を浴びる頻度が増えたことで、体内時計が昼間と勘違いし、身体を休ませる機能が薄くなって仕舞うのです。

概日リズム睡眠障害の睡眠相前進型の症状は、眠りにつく時間が極端に早まる睡眠障害です。
睡眠前進型の人は大体18時から20時に眠りにつき、午前2時から3時に目が覚めてしまいます。
ただ、眠りに入る時間が前方にずれているだけで、睡眠時間や眠りの深さは十分に摂れているので、健康には問題がありません。
それでも夜間の活動に支障が出たり、一緒に暮らす家族に眠りの問題が現われる可能性があるでしょう。

交代勤務型の症状はなかなか寝付けなかったり、眠ってもすぐに目が覚めて仕舞う・疲れが取れない等があげられます。
交代勤務や夜間勤務をしている人に現われる現代病といえる症状です。
夜間働き昼間に眠らなければならない為、体温が高いままベッドに入るので寝つきが悪くなるだけでなく、眠りの深さも奪われて度々目が覚めてしまうのです。

概日リズム睡眠障害の改善方法について

概日リズム睡眠障害はそれぞれに症状が違います。ですので、改善するための対処方法も少しずつ、異なります。
不規則睡眠・覚醒型は、体内時計が完全に故障してしまった状態です。
そのために、睡眠のパターンが消えてしまい、長い眠りではなく、1日に3回以上の短い眠りを繰り返します。
これが1週間以上続いた場合、不規則睡眠・覚醒型を発症しているということになります。

睡眠量は年相応に摂れますが、疲労が回復できず集中力や意欲を阻害されていきます。
原因と考えられるのは生まれつきの脳の障害や頭に怪我を負った場合と、高齢になって外との交流が少なくなり光を浴びる時間が極端に少なくなって日々のリズムが単調になることでも起こります。
この概日リズム睡眠障害を改善するにはビタミンB12 の投与と、それに高照度光療法などを組み合わせることで緩和されるようです。

自由継続型は寝付く時間と起きる時間が、毎日少しずつ(約1時間ほど)遅れていくのが基本的症状です。
自由継続型の睡眠障害を改善するには、まず、睡眠日誌をつけてみてください。
そうすることで、入眠時間と起床時間の周期的なズレがあるかどうかが確認できます。10分から15分程度の誤差は気にせず、大まかな時間を記録しておけば大丈夫です。
原因と思われるのは、体内時計の調整が正しくない為に、リズムが後退して仕舞うことです。
改善するには高照度光療法やメラトニン療法、そしてビタミンB12 を投与する治療法です。
高照度光療法とメラトニン療法は有効性が注目されている治療法です
概日リズム睡眠障害の時差型の場合、時差が数時間ある海外の国への渡航によって良く起こる症状です。疲労感がとれず、内臓にも障害が現われることがあります。
時差型を改善するには、辛くても朝1度ベッドから出て、強い朝の光を浴びることが体内時計を調整する方法となります。